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2011年3月18日 (金)

福島原発の事故は人災

福島第一原子力発電所が危険な状態です。

マスコミや政府の発表はパニックを引き起こすことを警戒しているのか、現在の状況がどれほど危機的なものであるのか詳細を伝えてくれません。

原発は安全というのは、幻想にすぎません。今回の事故でそれを理解した人もいると思います。

私は、やみくもに原発に反対する考えではありませんが、真実を公表せず、原発の負の部分やトラブルを隠蔽しようとする国や東京電力、そしてそれに加担するかのようなマスコミには怒りを感じています。

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福島第一原発3号機と1号機の水素爆発

特集ワイド:東日本大震災 福島原発事故、専門家に聞く 最悪の事態、制御できるのか

(2011.3.18 毎日新聞)

東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所の被災は、高濃度の放射能漏れという最悪の事態に発展した。政府は国民に対して「冷静」を求めるが、なぜ、原発の暴走を制御できないのか。安全は保たれるのか。それぞれの立場から専門家に聞いた。

◇まずは外出せぬこと--名古屋大教授・量子工学専攻、井口哲夫さん(56)

今回の事故では、既に放射性物質のセシウムが周辺に放出されている。放射性物質が発する放射線は、細胞の遺伝子を傷つけてがんの発生リスクを高める。大量に被ばくすると直ちに人体に影響が出て、リンパ球の減少などが起きる。リンパ球をつくる骨髄は特に放射線のダメージを受けやすいからだ。

一般人の1年の被ばく限度は1ミリシーベルト。15日に3号機周辺で記録された放射線量は時間当たり400ミリシーベルトでその350万倍。リンパ球の減少が起きるとされるのは累計500ミリシーベルトで、観測した場所に1時間半程度いればその値に達する状態になった。  

セシウムなどは静止状態では地面に落ちるが、風に乗ればほこりなどに付着して遠くに運ばれ、最後には路面や家の屋根に落ちる。外に干した洗濯物、歩いている人の衣服や皮膚にもくっつく。既に避難や屋内退避の指示が出ている地域は、そこの屋外に長時間いれば健康を害する恐れがあると、国も認めているということだ。  

放射性物質が飛来する危険が迫った場合はまず外に出ないこと。体に付いた可能性があれば、セシウムなどは水に溶けるので、手洗いしたり、シャワーを浴びれば落ちる。一番大切なのは体内に入れないことだ。放射線を出す能力が半分になる半減期はセシウムで30年。粘膜などに付着すると、長期に影響が出る。外出する必要があるならマスクやゴーグルを着け、ぬれたタオルで鼻などをふさぐのが効果的だ。  

自分が住む地域の放射性物質の量がどの程度かは気になるだろう。自治体は放射線量を測定するモニタリングポストを設置しており、公的な情報に注意してほしい。数値が大きく変動しなければ過剰な心配の必要はない。通常なら時間当たり0・1マイクロシーベルト程度。100倍でもまだ、人体に影響が出る程度ではないとみられるが、心配ならば、食べ物は水洗いすればいいだろう。

◇気になるのは2号機--元原子炉設計技術者の科学ライター・田中三彦さん(67) 

直接目で見ることも近づくこともできないから、肝心の「原子炉圧力容器」や、それを格納する巨大なフラスコのような形の「格納容器」中でいったい何が進行しているのか誰にも分からない。その状況で作業をせねばならないところにこの問題の深刻さがある。  

多くの人の命がけの作業にもかかわらず、12日に福島第1原発1号機は水素爆発を起こし、翌々日には3号機がより規模の大きい水素爆発を起こした。一方、2号機は14日、原子炉圧力容器内には冷却水がほとんどなくなり、燃料棒がむき出しになった。そればかりか、格納容器の一番下にある「圧力抑制プール」というドーナツ形の構造物の近くで爆発音が起きたとの発表や、圧力抑制プールが損傷したらしいとの報告もあった。断定はできないが、恐らく圧力抑制プールの中で水素爆発が起き、そのために損傷したのだろう。損傷が大きければ、圧力抑制プールから放射性物質が格納容器の外にばらまかれた可能性もある。さらに4号機でも突然火災が起きた。5号機、6号機の燃料貯蔵プールの温度が上昇しているという報告もあった。地震発生時に定期検査中だった4~6号機にいったい何が起きつつあるのか、これも気がかりだ。  

福島第1原発のうち特に気になるのは2号機。考えうる最悪のストーリーは、燃料棒が溶けて原子炉圧力容器の底に落下すること。原子炉圧力容器や格納容器は鋼鉄製だが1500度ぐらいで融解する。大量の燃料棒が溶融して落下すれば、やがて原子炉圧力容器の底は溶けてしまうだろう。“その後”どうなるかは誰にも分からないが、地下水脈に触れて大規模な水蒸気爆発を起こす可能性もある。そうならないようにと、2号機の原子炉圧力容器への必死の海水注入作業が試みられている。この深刻な事態が一刻も早く沈静化されることを祈らざるを得ない。

◇悪条件が重なった--近畿大原子力研究所長・伊藤哲夫さん(62)

高濃度の放射能漏れが起き、想像を絶する大変な事態になった。残念だが、想定した以上のことが起きた、としか言えない状況だ。  

福島第1原発は、これまでの災害から考えられる安全対策を、何重にも施してきたと考えている。  

マグニチュード9という大地震は海外では起きているが、国内では予想を絶する大地震だった。それによって、次第に手の打ちようがないところまできている。  建設時の安全審査においては地震規模はマグニチュード8程度を想定し、さらに地震を起こす断層は13万年前までさかのぼって調査していた。ここは1971年に営業運転を開始しているが、古いから悪い、というものではないと私は思う。  

1号機、3号機の爆発は水素爆発による原子炉建屋の破壊だった。2号機や4号機でもそれぞれ爆発や火災が起きている。対策としては、原子炉の中を少しでも冷やせる状態を確保して、事故の拡大を防ぐことに全力を注ぐしかない。  東京電力は詳しい情報をもっと速やかに出すべきだと指摘されているが、今は人災だと責める段階だとは言えないと思う。  

そもそもインフラが切断されてしまったので、冷却処理するための水、さらには作業のための電源も確保ができなかった。これは考えられないことだった。悪条件がすべて重なってしまったのだ。「誰の責任だ」とは言えないだろう。  

福島第1原発で次々と爆発が発生し放射能漏れが伝えられるが、そのたびに菅直人首相は記者会見において、国民に冷静な対応を求めている。政府が避難指示を出している限りは、それに従ってほしい。  

今回事故のあった原子炉が今後どうなっていくのかも、今は予測ができない。ただ、原子力発電の先進国・日本のこの事態を受けて、世界的にも原子力行政の見直しが進んでいくのではないか。

◇想定すべき人災--ノンフィクション作家・広瀬隆さん(68)

これは人災だと考えています。その責任の所在は東京電力だけでなく、菅直人政権、経済産業省の原子力安全・保安院、原発を推進してきた大学や大学院教授らにもあると言えますよ。  

津波発生は日本の宿命で、1896(明治29)年の「明治三陸沖地震」では高さ38メートル以上の津波が起こっている。だから「想定外」という表現は当たらない。想定すべきだったんです。  

原子炉設備とその周辺には膨大な配管、配線があって、津波と地震の揺れで相当な影響を受けたと見るべきです。電源系統がだめになっているから、非常用のディーゼル発電機が動かなかった。  

配線にダメージを受けている中で、コントロールルームが機能しているのか。膨大なデータを処理する能力が維持されているのか。計器を信用してよいのか。それも分かりません。  

そもそも、東電は原発の単なる「運転者」なんですよ。詳細な構造は原発メーカーの技術者でないと分からない。保安院の職員も分からない。これを解説している学者も「現場」を知らない。  

メディアはなぜ、東電や政府の発表を垂れ流すのでしょうか。放射能が漏れていても「直ちに人体に影響を与えない」と繰り返しています。しかし、発表されているのは1時間当たりの数値。365日×24時間で計算してみなさい。想像力もなく、レントゲン並みとか自然界の何分の1と報道している印象です。漏れるという「異常」に対する驚きも怒りも薄れている。  

福島から排出された放射線は宮城県の女川原発付近でも検出されましたし、風向きによって関東地方にも達しています。  

仮に最悪の事態に至ったならば、放射能汚染は1週間ぐらいかけてじわじわ列島を包んでいく。逃げる場所は全くありません。  

これが原発の震災、人災なんです。

福島第1原発とほぼ同タイプの原発内部

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広瀬隆氏は早稲田大学理工学部(応用化学)を卒業し、メーカーの技術者を経て執筆活動を開始しました。当初は医学文献等の翻訳に携わっていましたが、スリーマイル島原子力発電所事故を契機に、原子力と関わるようになり、『原子力発電とはなにか……そのわかりやすい説明』(野草社、1981年)を出版しました。

1980年代には「安全というならば、長大な送電線建設コストのかかる地方ではなく、電力の大消費地である首都圏に原子力発電所を建設してはどうか」と指摘した『東京に原発を!』(JICC出版、1981年)や、がんや白血病で死んだハリウッドスターの死因と、ネバダ州で行われていた大気圏内核実験の因果関係を示唆した『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』(文藝春秋社、1982年)を書き反響を呼びました。

原子力関係者から嫌われている人物で、 チェルノブイリ原発事故の翌年に書かれた『危険な話』(八月書館、1987年)で、原子力(発電や放射性廃棄物)の危険性を主張する立場を鮮明にすると、日本原子力文化振興財団から反論本『つくられた恐怖 「危険な話」の誤り』を出版されたほどです。

広瀬氏の主張は正しいのでしょうか?

ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」1/3

ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」2/3

ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」3/3

広瀬氏のような意見に耳を貸さなかったツケが現在の事態を招いているような気がしています。

事故処理作業は過酷を極め、おそらく多数の被ばく者が出てしまうでしょう。

作業員の被曝量引き上げ、福島原発事故で厚労省

(2011.3.15 msn産経ニュース)

厚生労働省は15日、東日本大震災での福島第1原発事故で応急対策にあたる作業員に関し、放射線の被曝(ひばく)線量限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げる規則の特例を定めたと発表した。経済産業省などの要請に基づくもので、250ミリシーベルトへの引き上げは初めて。これにより1回あたり15分程度だった作業時間が30分程度に増えるという。

国際基準では重大事故時の被曝線量限度は500ミリシーベルトとなっているが、会見した小宮山洋子副大臣は「労働者の健康を考えると今後さらなる引き上げは考えられない」とした。

また同副大臣は、福島第1原発事故で半径20キロ外に避難した住民の検査などのため、全国の都道府県などに対し医師や放射線技師の派遣を打診していることを明らかにした。

福島原発:被ばく量の限界で作業員交代-東電は人員増強を急ぐ

(2011.3.18 ブルームバーグニュース)

東日本大震災で被災した福島第一原子力発電所で危機的状況が続く中、東京電力は核燃料が溶け出す事態を回避するため前線に送る作業員を増やしている。ただ、当初派遣された作業員は、放射線被ばく量の限界から交代を余儀なくされている。

東電は核燃料が融解したり放射性物質が漏れ出したりしないよう、露出した核燃料棒に向けて放水作業を進める中、福島第一原発での作業員数を16日の180人から17日には322人に増員した。元米原子力規制委員会(NRC)の安全性指導員で米科学者団体「憂慮する科学者同盟」の物理学者、デービッド・ロックボーム氏によれば、露出した燃料棒のそばでは放射線量が16秒で致死量に達するという。

11日の巨大地震発生以降、同原発施設の放射線量は上昇しているが、作業員が施設内にとどまれる時間を延ばすため、許容される累積放射線被ばく量は2日前に2倍強に引き上げられた。英ナショナル・ニュークリア・コープの元安全政策職員で現在はメルボルンを拠点にする産業事故関連コンサルタントのジョン・プライス氏は、一部の場所では1時間の被ばく量が年間上限の半分に相当すると指摘。同氏は電話インタビューで「この状態では、作業員を急速に使い果たすことになるだろう」と述べた。

東電の広報担当者は、放射線量が最大許容量に達する前に作業員には施設からの退避を命じていると説明している。世界原子力協会によると、年間被ばく総量が100ミリシーベルト以上となれば、がんの増加が明らかだという。日本の衛生当局は15日、原子力作業員の累積被ばく量上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた。日本の原子力安全・保安院は17日にウェブサイトで、作業員1人が106.3ミリシーベルトの放射線に被ばくしたことを明らかにした。

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「日本の原発耐震基準は時代遅れ」=IAEAが08年に警告か―ウィキリークス

(2011.3.17 時事通信)

【ベルリン時事】英紙デーリー・テレグラフは17日までに、内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した米外交公電の内容として、国際原子力機関(IAEA)が2008年12月、日本の原発の耐震基準は時代遅れで、大規模な地震が発生した場合、「深刻な問題」が生じる恐れがあると警告していたと伝えた。

同紙が引用した公電によると、東京で開かれた原子力安全保障に関する主要8カ国(G8)会合で、IAEA当局者は日本の原発耐震指針は過去35年間で3回しか更新されておらず、IAEAが指針を再調査していると説明したという。

IAEAの天野之弥事務局長は16日の記者会見で、「ウィキリークスで伝えられたことにはコメントしない。原発の耐震基準は常に更新するよう取り組んできた」と述べた。

IAEA、福島原発「かなり深刻」 天野事務局長訪日へ

(2011.3.17 asahi.com)

【ウィーン=玉川透】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は16日、ウィーンの本部で記者会見し、東日本大震災で起きた福島原発事故が「かなり深刻な状況にある」と述べた。日本政府と支援態勢などを協議するため、17日にも日本へ向け出発することを明らかにした。

天野氏の日本滞在は「1日程度」の短期間になる見通しで、政府高官らとの会談を予定。天野氏は「今やるべきことは国際社会と各国が日本と協力し、原発の安全を回復すること。IAEAが日本のためにどう役立つことができるか議論したい」と語った。

日本側から派遣要請を受けた放射線計測の専門家も、17日には日本へ向かうという。

一方、福島第一原発の状況について、天野氏は日本の関係者が「できうるすべての対応をしている」と評価する一方、事態が刻一刻と変化しているため、「制御下にある」と言明することは避けた。

IAEA当局者が2008年、日本の原発の地震対策に不安を表明していたと、英紙が内部告発サイト「ウィキリークス」から入手した米公電を元に報道したことに対し、天野氏は「コメントしない」とした上で、原発の地震対策は「常に更新するよう努力してきた」とだけ述べた。

福島原発の事故、米NRCが20年前に警鐘-非常用発電機にリスク

(2011.3.16 ブルームバーグニュース)

東日本大震災で東京電力福島第一原発に起きた事故について、20年前に警鐘を鳴らしていたリポートがある。米国の原子力規制委員会(NRC)による「NUREG-1150」だ。

それによると、地震発生時に炉心溶融につながる事故の例として、原子炉を冷却するため水を外部からくみ上げるポンプを動かす非常用ディーゼル発電機の破損や停電、貯水タンクの故障などによる冷却機能不全が高い確率で起こると指摘していた。

今回の事故は、福島第一原発の原子炉6機のうち運転中だった1、2、3号機は地震の揺れを感知して運転を自動停止したが、非常用ディーゼル発電機が作動せず、冷却ができない状態になった。日本政府は、経産省原子力安全・保安院が04年6月に公表した「リスク情報を活用した原子力安全規制の検討状況」という資料で、このリポートも紹介している。

元日本原子力研究所研究員で核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長は、リポートが提示したリスクへの対応策について、「東電は学んでいなかったのだろうか」と指摘、「天災が1000年に一度や想定外といった規模であったとしても、そんな言い訳は許されない」と述べた。

東電の広報担当、元宿始氏は当社がそのリポートを認識していたかどうか直ちには確認できない、と述べた。

原発は、原子炉圧力容器内で燃料が核分裂する熱で蒸気を発生させ、タービンを回している。緊急停止した際には、高温になっている燃料を冷やすため冷却水を注入して冷やす。冷却に失敗すると、炉内の温度が上昇し、核燃料自体が溶け出す「炉心溶融」に陥る危険がある。

米軍、核の専門家を日本に派遣

今回の事故報告でも明らかになった東京電力の隠蔽体質・・・それは政府とスクラムを組む事によって強化されてきました。

原発のトラブルの多くは『安全神話』を守るために隠蔽されてきたのです。

福島第1原発で新たに33機器点検漏れ

(2011.3.1 福島民友ニュース)

保守管理の規定の期間を超えても点検を実施していない点検漏れの機器が見つかった問題で、東京電力は28日、経済産業省原子力・安全保安院に調査結果を最終報告した。報告では福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかった。県は「信頼性の根本に関わる問題」と東電に再発防止策の徹底を求めた。

東電によると、福島第1原発で見つかった点検漏れは定期検査で行われる機器ではなく、東電の自主点検で定期点検が行われている機器。しかし、最長で11年間にわたり点検していない機器があったほか、簡易点検しか実施していないにもかかわらず、本格点検を実施したと点検簿に記入していた事例もあった。

佐藤栄佐久前福島県知事は「反原発派」だったから逮捕されたのか 福島原発の事故隠蔽で国と対立した直後に始まった捜査/伊藤 博敏

(2011.3.17 現代ビジネス)

炉心溶融のメルトダウンへ向けて、カウントダウンを続けているかのような福島原子力発電所---。  

その根源的問題が、国と電力会社が一体となって「安全神話」を撒き散らし、国民の声を聞かずに原子力政策を推進、事故が発生してもまず隠ぺい、真摯な事故対応を怠ってきたからだと指摘していた人がいる。  

佐藤栄佐久前福島県知事である。  

佐藤氏は、06年10月、木戸ダム建設工事に絡んで、ゼネコンの前田建設工業、サブコンの水谷建設から賄賂を受け取ったという収賄罪で逮捕起訴され、一審で有罪判決を受け、控訴したものの覆らなかった。  

「冤罪」の声もある事件については後述しよう。ここで強調したいのは、佐藤氏が、09年6月の高裁判決後に上梓した『知事抹殺』(平凡社)で、2章を割いて「国の原子力行政との戦い」を訴えていることだ。

*** 内部告発の調査を電力会社に「丸投げ」 ***  

佐藤氏は、まるで今日の事態を想定していたかのようである。

「この事故で、強烈な教訓として残ったのは、『国策である原子力発電の第一当事者である国は、安全対策に何の主導権もとらない』という『完全無責任体制』だった」  

この事故というのは、1989年1月6日に発覚した福島第二原発3号機の部品脱落トラブルである。原子炉冷却水再循環ポンプ内にボルトや座金が脱落、それが原子炉内に流入していた。前年暮れから3回も警報が鳴っていたのに東電は事故を隠し続け、1月6日の異常警報でようやく県に報告した。  

佐藤氏は、参院2期を経て、知事に就任2年目のこの事故で、原発が抱える根源的問題を直観、原発や原子力行政を学び、その在り方に批判的になっていく。  それが頂点に達したのが、2002年8月29日、経済産業省原子力安全・保安院から県に送られてきた18枚のFAXだった。  

そこには、「福島第一・第二原発で、原発の故障やひび割れなどの損傷を隠すため、長年にわたって点検記録をごまかしてきた」と、書かれていた。  

炉心を支えるシュラウドと呼ばれる重要部分の損傷まで隠ぺいしていた事態に、国民は驚き呆れ、東電は平岩外四、那須翔、荒木浩、南直哉の歴代社長が総退陣、恭順の意を示した。だが、佐藤氏が怒ったのはむしろ国の対応である。  

改ざん隠蔽の事実は、内部告発によって明らかとなったが、それを原子力安全・保安院が受け取ったのは00年7月である。  

保安院は立ち入り調査することなく、「こんな告発があるけど」と、東電に紹介、調査は東電に任せて「調査の結果、告発内容と一致しなかった」という東電報告を受けて、口を拭っていた。

「国と東電は同じ穴のムジナだ」と、書く佐藤氏は、2年も放置した国の責任を重く見て、「本丸は国だ。敵を間違えるな」と、県の担当に檄を飛ばしたという。

*** 「佐藤知事のせいで目算が狂った」 ***

使用済み燃料を再処理して使うプルサーマル計画を含めた核燃料サイクルに批判的な佐藤氏は、そのプルサーマルを推進する資源エネルギー庁と安全を司る原子力・安全保安院が同居、そこに現場の東電など電力会社が加わって「原子力村」を構成、何のチェック機能もない原子力推進体制が出来上がっていることを危惧した。  

事故も隠ぺいも、その体質が生みだしたものだ---。  

従って、事故を機に、原発を点検に合わせて次々に運転停止、東電管内の17基の原発がすべて停止しても、攻撃の手を緩めることはなかった。  

全基停止中の04年12月21日、『朝日新聞』の「私の視点」で、事故への反省もなく、体質改善の努力もなく、専門家が決めたことを押し付け、原子力政策を推進していることを問題点として訴えた。  

05年夏の電力需要期を迎えても、佐藤氏は運転再開のゴーサインを出さなかった。  『日本経済新聞』(05年6月5日付)が、「運転再開に注文をつける佐藤知事のせいで目算が狂った」と、社説で批判するなど風当たりが強くなるなか、7月10日、ようやく佐藤氏は、東電の勝俣恒久社長と面会、再開を容認した。  

原発行政と東電などに「佐藤批判」が高まるなか、佐藤氏が最後まで許さなかったのは、「譲れない一線を国や関係者が考えてくれなかったからだ」という。 「それは、『事故情報を含む透明性の確保』と、『安全に直結する原子力行政に対する地方の権限確保』である」

*** 「一罰百戒」という検察の思惑 ***

佐藤氏に対する捜査は、同時期の05年7月に特捜部が捜査着手した水谷建設脱税事件の関連先として始まった。脱税額は約9億円。そのなかには、佐藤氏の実弟が経営するスーツ会社の土地を、水谷建設が相場より約7000万円高い約8億7000万円で購入した件が含まれていた。  

特捜部は、この差額の約7000万円を、木戸ダムを前田建設工業、水谷建設で受注する際の「賄賂」と見立てた。佐藤氏の罪は、実弟の要請を入れ、県に対して「天の声」を発したというものである。  

佐藤氏は、実弟のスーツ会社の経営にタッチしていなかったこと、福島県の公共工事は「天の声」を発する環境になかったこと、などを理由に無罪を主張。だが裁判所は、一度は拘置所内で「天の声」を認める調書にサインをしていることと、実弟に「口利き」の形跡があることなどを理由に有罪とした。  

佐藤氏が原子力行政に、物申していた時、収賄捜査は始まった。そのタイミングの良さに、「国による反原発派知事つぶし」という声があがるのも無理はなかった。  もちろん特捜部が、「反原発派」だから佐藤氏を狙ったというのはうがち過ぎである。  

安全性に顧慮することなく、地元を含めて国民に「お上のやることだから従え」と強圧的な態度で臨み、事故が起きれば現場(東電など)のせいにして逃げる国(経産省、資源エネルギー庁、原子力安全委員会、原子力安全・保安院)などへの怒りは強いが、佐藤氏は容認派であって反対派ではない。  

むしろ特捜部は、「平成の政商」と呼ばれた水谷功氏の脱税事件を起点に、北朝鮮、中部国際空港、東電など、水谷建設絡みの案件のすべてを家宅捜索するという投網方式で捜査着手、そこに引っかかってきたのが佐藤氏の実弟だった。  

政治家(知事)本人は手を汚さず、親族を含む周辺が、"汚れ仕事"を引き受ける---。収賄罪を避けるために一般化していたこの脱法を乗り越えるために、特捜部は「身分なき共犯」で実弟を逮捕、兄に吐かせて事件を組み立てる、という絵を書き、見事にそれがハマった。  

大阪地検事件までは認められていた「捜査の常道」である。その検察の目に佐藤氏は、「一罰百戒」を与えるのに相応しい政治家であり、検察の威信を見せつけるコマであり、実績をあげる材料だった。  

その思惑のなかで、「収賄意識ゼロ」の首長が逮捕されたが、原発行政に厳しい知事がいなくなったのは、経産省にとっても東電にとってもありがたかっただろう。  

「佐藤不在」が、未曾有の原発事故につながったというつもりはない。ただ、「緑の革命」のなかで原発がクリーンエネルギーとして称揚され、厳しい監視役の不在で気のゆるみが生じていたのだけは、間違いあるまい。

柏崎刈羽原発運転再開:経緯と課題

「活断層の警告 揺らぐ原発の安全審査」(1)

「活断層の警告 揺らぐ原発の安全審査」(2)

「活断層の警告 揺らぐ原発の安全審査」(3)

原子炉を運転すると、1年間に長崎型原爆1万発を作れるプルトニウムと、広島型原爆4万発分の核分裂生成物(死の灰)が生成されます。これらの人工放射能が、年々蓄積されていくのです。   

100万kwの原子炉1基が持っている放射能は、運転停止の1日後でも、1人あたり許容量の2000兆倍と言われています・・・

プルトニウムを吸い込むと、わずか100万分の1グラムでもアルファ線によって肺ガンを起こします。プルトニウムは、放射能が半減するのに2万4千年を要する、超長寿命の人工放射能です。   

また核分裂生成物は、長寿命の放射能のため、天然のウラン鉱石の放射能レベルまで下がるのにも10万年かかります。これは、人間が管理できる時間を超えています。

核分裂生成物の放射能の強さは、原子炉の停止直後で、もとのウラン燃料の1億倍にもなります。このうち、短寿命の放射能は多量の崩壊熱を発生し、原発特有の炉心溶融(メルトダウン)事故の原因となります。

原子炉では、燃料が密集しています。そのため発生する崩壊熱の逃げ場がありません。これを冷却するために大量の水を循環させていますが、地震などによって配管が損傷したり、循環ポンプが故障すると、水は冷却できなくなり沸騰して減少していきます。崩壊熱による発熱は数千度にもなり、堅牢な圧力容器といえども溶かされてしまいます。

現在の福島原発は、まさにメルトダウンの瀬戸際と言えます。

報道では、しきりと『想定外』という言葉が使われていますが、これは欺瞞としか言えません。東海や柏崎刈羽の事故の時も同じ『想定外』という言葉が使われていました・・・政府や東京電力は過去の事故から何も学んでいなかったということでしょうか・・・

ドイツでは、古い原発を一時停止して総点検することを発表しました。世界各国で原発の安全性に疑問がなげかけられているのです・・・

ドイツ政府、国内原発7基を一時停止に

日本も見習うべきでしょう。

現に静岡県にある浜岡原発は耐震性に疑問が投げかけられています。

設計上での耐震性は1・2号炉 450Gal、3・4号炉 600Gal となっており、これは阪神淡路大震災の数値(800Gal)より低いのです。建物などは約1000Galまで耐えられるように工事も行なわれているようですが、タービン建屋の建造物、設備の耐震性は不明です。また、制御棒が下から挿入される沸騰水型の原子炉は、直下型の地震時に正常に作動するのかという危険性も指摘されているのです。

東海地震(マグニチュード8.4と想定される)の予想震源域にあり、活断層が直下にあるという説まで発表されており、早急な対策が望まれているのです。

原発の暗部は耐震性の問題だけではありません。

原発作業に従事する人間の被ばくが避けられないのです。

2ちゃんねるでは、福島原発での作業員募集がハローワークに出ていたことが話題になっていました。

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この募集は、非汚染区域での作業員だと思いますが、汚染区域にある取水口でのヘドロのかきだし作業、タービンのさび取り等の作業は、作業環境が劣悪なだけではなく、被ばくの危険性が極めて高いのです。

そうした汚染区域での作業について報道されることはありません。また、作業に従事する人間は電力会社の社員ではなく下請けの人間であることも知られていません。

『原発の被ばく労働者』 *クリックするとPDFファイルが開きます

隠された被爆労働〜日本の原発労働者1

隠された被爆労働〜日本の原発労働者2

隠された被爆労働〜日本の原発労働者3

原発については、意図的に隠されていることが多数あります。それを知ってもなお、原発に賛成する人間がどれだけいるでしょうか・・・

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