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2010年3月23日 (火)

フィギュアスケート採点法

ISUジャッジングシステム=コード・オブ・ポイント(CoP)

*シングルスケーティングにおいての内容

<技術点>

基礎点とGOEによって算出される。

1.基礎点:実行した技の基礎となる得点。算出基準はジャンプ要素では回転数、それ以外の要素ではレベル。

・ジャンプの回転数・・・回転数はジャンプの空中での軌道を基準とし、踏み切り動作から着氷に至るまでに何回転したかを技術審判が判定する。

回転が不十分である(回転の不足分が1/4回転を超えている)と判断されると、選手が挑戦した回転数より、回転数が一回転少ない同じ種類のジャンプの基礎点が与えられる。

例えば4回転トウループに挑戦した場合、回転が十分(回転の不足が無い、または回転の不足分が1/4回転以下)であると判断されると4回転トウループの基礎点9.8が与えられ、回転が不十分(回転の不足分が1/4回転を超えている)と判断された場合は3回転トウループの基礎点4.0が与えられる。

・レベル・・・各要素のレベルは、要素の実行に際して、ISUが規定する工夫がいくつ含まれているかによって決まる。行われた工夫が基準を満たしているかどうかを技術審判が判定し、認められた場合のみレベル獲得要件として数えられる。

4つ以上の工夫が認められればレベル4、3つの工夫が認められればレベル3、2つの工夫が認められればレベル2、認められた工夫が1つ以下の場合はレベル1となる。

2.GOE:GOE(Grade of Execution)は、演技審判によって0をベースとし-3から+3の7段階で評価された各要素のできばえ。要素の中にマイナス評価の対象となるものが見られても、同時にプラス評価の対象となるものがあれば、結果的にプラス評価となることがある。

ただし、ある特定のミスがあった場合は、必ずGOEを一定以上のマイナスにしなければならないという規定がある。例えば、着氷でステップアウトしたジャンプに対しては、そのジャンプにどんな優れた点があっても、-1以下の数値でGOEをつけなければならない。

ジャンプの得点

種類基礎点評価とGOEの対応(GOEの加減点の幅)
名称記号-3-2-1+1+2+3
1回転トウループ1T0.4 -0.3 -0.2 -0.1 +0.3 +0.6 +1.0
1回転サルコウ1S0.4
1回転ループ1Lo0.5
1回転フリップ1F0.5
1回転ルッツ1Lz0.6
1回転アクセル1A0.8-0.5-0.4-0.2+0.5+1.0+1.5
2回転トウループ2T1.3 -1.0 -0.6 -0.3 +0.5 +1.0 +1.5
2回転サルコウ2S1.3
2回転ループ2Lo1.5
2回転フリップ2F1.7
2回転ルッツ2Lz1.9
2回転アクセル2A3.5-2.5-1.6-0.8+1.0+2.0+3.0
3回転トウループ3T4.0 -3.0 -2.0 -1.0 +1.0 +2.0 +3.0
3回転サルコウ3S4.5
3回転ループ3Lo5.0
3回転フリップ3F5.5
3回転ルッツ3Lz6.0
3回転アクセル3A8.2-4.2-2.8-1.4+1.0+2.0+3.0
4回転トウループ4T9.8 -4.8 -3.2 -1.6 +1.0 +2.0 +3.0
4回転サルコウ4S10.3
4回転ループ4Lo10.8
4回転フリップ4F11.3
4回転ルッツ4Lz11.8
4回転アクセル4A

13.3

スピン

種類レベル基礎点GOEによる加減点
名称記号-3-2-1+1+2+3
アップライトUSpレベル11.2 -1.0 -0.6 -0.3 +0.5 +1.0 +1.5
レベル21.5
レベル31.9
レベル42.4
シットSSpレベル11.3
レベル21.6
レベル32.1
レベル42.5
キャメルCSpレベル11.4
レベル21.8
レベル32.3
レベル42.6
レイバックLSpレベル11.5
レベル21.9
レベル32.4
レベル42.7
フライングアップライトFUSpレベル11.7
レベル22.0
レベル32.4
レベル42.9
フライングシットFSSpレベル12.0
レベル22.3
レベル32.6
レベル43.0
フライングキャメルFCSpレベル11.9
レベル22.3
レベル32.8
レベル43.2
フライングレイバックFLSpレベル12.0
レベル22.4
レベル32.9
レベル43.2
(フライング)コンビネーション(F) CoSpレベル11.7
レベル22.0
レベル32.5
レベル43.0
(フライング)足替えアップライト(F) CUSpレベル11.7
レベル22.0
レベル32.4
レベル42.9
(フライング)足替えシット(F) CSSpレベル11.9
レベル22.3
レベル32.6
レベル43.0
(フライング)足替えキャメル(F) CCSpレベル12.0
レベル22.3
レベル32.8
レベル43.2
(フライング)足替えレイバック(F) CLSpレベル12.0
レベル22.4
レベル32.9
レベル43.2
(フライング)足換えコンビネーション(F) CCoSpレベル12.0
レベル22.5
レベル33.0
レベル43.5

ステップシークエンス

種類レベル基礎点GOEによる加減点
名称記号-3-2-1+1+2+3
ストレートライン
サーキュラー
サーペンタイン
SlSt
CiSt
SeSt
レベル11.8 -1.0 -0.6 -0.3 +0.5 +1.0 +1.5
レベル22.3
レベル33.3-2.1-1.4-0.7+0.5+1.0+1.5
レベル43.9-2.1-1.4-0.7+1.0+2.0+3.0
スパイラルSpSqレベル11.8 -1.0 -0.6 -0.3 +0.5 +1.0 +1.5
レベル22.3
レベル33.1-2.1-1.4-0.7+0.5+1.0+1.5
レベル43.4-2.1-1.4-0.7+1.0+2.0

+3.0

<構成点>

構成点は演技審判が以下の項目をそれぞれ10点満点、0.25点刻みで評価し、その評価数値に項目ごとの加重を掛けて算出された得点の合計点である。

  • スケート技術(Skating Skills, 略記号: SS)
  • 要素のつなぎ(Transitions, 略記号: TR)
  • 実行力/遂行力(Performance/Execution, 略記号: PE)
  • 振り付け(Choreography, 略記号: CH)
  • 曲の解釈(Interpretation, 略記号: IN)
  • <ディダクション>

    ディダクションは技術審判らによって判断される規定による減点である。

    • 転倒: 1回につき -1.0点
    • 時間超過または不足: 5秒につき -1.0点
    • ボーカル入り音楽の使用または音楽の不使用: -1.0点
    • バックフリップなどの禁止されている要素: 1つにつき -2.0点
    • 小道具使用などの衣装の違反: -1.0点
    • ペア要素での落下: 1回につき -1.0点
    • 10秒以上の中断: 10秒につき -1.0点(やむをえない場合は除く)
    ・転倒

    要素の実施時、平常滑走時(要素と要素の間)に関わらず、転倒した場合は減点を受ける。転倒とは「スケーターがスケートのコントロールを失い、エッジ以外の部分で体重の大部分を支えるもの」を指す。振り付けの一部として意図的にエッジ以外の部分で氷に触れるものは転倒の扱いにはならない。なお、要素の実施時における転倒の場合は、ディダクションとは別に、技術点のGOEにおいても減点されることになっている。

    <違反行為・無効要素>

    フィギュアスケート競技では実施が認められていない違反行為が存在する。 違反行為を含んだ要素が実行された場合、その要素自体が無効要素とされることや、場合によってはそれに加えディダクションまで付いてしまうこともある。

    無効要素とされる違反行為の中には即座に判断することが難しいものも存在し、見た目の印象を総合得点に差異を生む原因の一つになっている。

    以下では特に得点に大きく影響するものや、違反行為と分かりづらいものの例を示す。

    • シングルのフリースケーティングにおいて3回転以上のジャンプに関して、同じ踏切で同じ回転数のものは、2つを2回までしか挑戦できない。例えば3回転トウループに3回挑戦」した場合、3回目の3回転トウループは無効要素として得点は0点となり、また「3回転ループ、3回転サルコウ、3回転トウループにそれぞれ2回ずつ挑戦」した場合も、6本のうち最後に跳んだジャンプは無効要素として得点は0点となる。
    ジャンプのカウントは「挑戦したジャンプ」であるためダウングレードされたジャンプについては、される前の回転数が適用される。例えばダウングレードされた4回転トウループの場合、基礎点は3回転トウループのものとなるが、挑戦したのは4回転トウループである。
    • 同じ踏み切りで同じ回転数のものに2回挑戦する場合、少なくとも1つはコンビネーションまたはシークエンスにしなければならない。2回とも単独ジャンプとして跳んだ場合、2回目のジャンプは強制的にシークエンスジャンプとして数えられる。
    • シングルのフリースケーティングにおいて、2回転アクセルは3回までしか挑戦してはならない。4回目以降の2回転アクセルは無効要素ととして得点は0点となる。
    • シングルのフリースケーティングにおいて、ジャンプ要素のうち、コンビネーションジャンプもしくはシークエンスジャンプは3回まで、その内3連続コンビネーションジャンプは1回までしか挑戦してはならない。多く跳んでしまった場合、最後の方から無効要素として得点は0点となる。
    • シングルのフリースケーティングにおいて、採点表で同じ略記で書かれるスピンを2つ以上行った場合、2つ目以降のものは無効要素として得点は0点となる。
    • シングル、ペアにおいて、一つのスピンの中で同じ難しいポジションを両足で行った場合、片方はレベル獲得要件と認められない。
    • ペアにおいて、リフト要素で男性が3.5回転以上回転を行ったものは無効要素として得点は0点となり、さらにディダクションで2点減点される。
    • ペアのフリースケーティングにおいて、グループ5のリフト要素を2つ行う場合、2つの踏み切りは異なる種類でなければならない。同じ踏切のグループ5リフトを2回行った場合は後に行ったものは無効要素として得点は0点となる。
    • 女子シングルにおいて、スパイラルシークエンス要素で最初のポジションの持続時間が3秒未満だった場合、その後の工夫は全て無効となり、レベルは強制的に1となる。

    <審判>

    フィギュアスケート競技会における審判員は下記の通り

    1.イベントレフェリー・・・1名、競技会と審判団の監督を行う。

    2.技術審判

    ・テクニカルコントローラー・・・1名、テクニカルスペシャリストの宣言を監督し、承認もしくは確認し、必要があれば訂正する(ただし、テクニカルスペシャリストがその訂正に同意しない場合は、テクニカルコントローラー、テクニカルスペシャリスト、アシスタントテクニカルスペシャリストの三名による多数決で決定する)。システムコンピューターに入力された要素の名前とレベルを確認する。

    ・テクニカルスペシャリスト(及びアシスタントテクニカルスペシャリスト) 1~2名

    a.実行された要素の種類を判定し、宣言する 。

    b.実行された要素のレベルを判定し、宣言する。

    c.転倒などのディダクションとなる行為を判定する。

    d.革新的要素が行われた場合、それを判定し、ボーナス(2点)を宣言する。

    e.無効になる要素を判定・削除する。

    3.演技審判 最大9名

    • 実行された要素の質を-3、-2、-1、0、1、2、3の7段階で評価する(GOE)。
    • 構成点をつける。
    全ての演技審判が採点を行っているが、その内2名はその評価が最終的評価に全く影響しないダミージャッジである。誰がダミーであるかは大会終了後も公開されず、本人にも知らされない。

    <男子シングルショートプログラム>  Factor×1

    規定された8つの必須要素(ジャンプ、スピン、ステップシークエンス)でプログラムを構成。演技時間は2分50秒以内。

    ・必要要素

    1 アクセルジャンプ:2回転、または3回転
    2 ステップからのジャンプ:3回転、または4回転
    3 コンビネーションジャンプ:3回転+2回転以上の難度
    4 フライングスピン:8回転以上
    5 足換えを1回行うスピン:キャメル、またはシットスピン、足換え1回のみ、各足6回転以上
    6 コンビネーションスピン:足換え1回のみ、姿勢変化2回以上、各足6回転以上
    7・8 「2種類」のステップシークエンス(ストレートライン、サーキュラー、サーペンタインから)

    <男子シングルフリースケーティング>  Factor×2

    最大13の要素(ジャンプ、スピン、ステップシークエンス)を使用し、プログラムを構成。演技時間は4分30秒(±10秒可)。

    ・ジャンプ

    8回まで。
    アクセルジャンプ1回以上。
    コンビネーションジャンプを1~3回。
    3回転ジャンプは、同種類の繰り返し2回まで。そのうち1回は、必ずコンビネーション、またはシークエンスに組み込まれたジャンプであること。

    ・スピン

    4回まで
    コンビネーションスピン1回以上。足換え1回以上。合計10回転以上。
    フライングスピン1回以上、6回転以上。
    単一姿勢でのスピン1回以上、6回転以上。

    ・ステップシークエンス

    2種類まで

    <女子シングルショートプログラム>  Factor×0.8

    規定された8つの必須要素(ジャンプ、スピン、ステップシークエンス)でプログラムを構成。演技時間は2分50秒以内。

    ・必要要素

    1 アクセルジャンプ:2回転
    2 ステップからのジャンプ:3回転
    3 コンビネーションジャンプ:2回転+3回転以上
    4 フライングスピン:8回転以上
    5 スピン:レイバック、またはサイドウェイズリーニング、8回転以上
    6 コンビネーションスピン:足換え1回のみ、姿勢変化2回以上、各足6回転以上
    7 ステップシークエンス(ストレートライン、サーキュラー、サーペンタインから)
    8 スパイラルシークエンス

    <女子シングルフリースケーティング>  Factor×1.6

    最大12の要素(ジャンプ、スピン、ステップシークエンス)を使用し、プログラムを構成。演技時間は4分(±10秒可)。

    ・ジャンプ

    7回まで
    アクセルジャンプ1回以上。
    ジャンプコンビネーション1~3回。
    3回転ジャンプは、同種類の繰り返しは2回まで。そのうち1回は、必ずコンビネーション、またはシークエンスに組み込まれたジャンプであること。

    ・スピン

    4回まで
    スピン・コンビネーション1回以上。足換え1回以上。合計10回転以上。
    フライングスピン1回以上、6回転以上。
    単一姿勢でのスピン1回以上、6回転以上。

    ・ステップ

    ステップシークエンスは1回まで
    スパイラルステップ1回まで

    以上

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